妄想の函 夢のあとさき 「おはようございます、MC。良い朝ですね」 笑顔のバルバトスが朗らかに、唄うように挨拶する。 彼は優しくわたしの頬を撫でてから、両手で恭しくその首を持ち上げた。 目を閉ざしたまま、挨拶を返すこともないわたしの首を、しばらく愛おしそうに... 2023.07.25 妄想の函
妄想の函 天使を喰む シメオンの瞳は、いつか見た天界の青空の色。 それがまあるく大きく見開かれて、彼の上に馬乗りになったわたしを見上げている。 首尾は上々。 なんとしてもこのミッションを遂行してみせる。 「えっと……どうして、こんなことになってるのかな?... 2023.07.24 妄想の函