2021-10

妄想の函

おまけの殿下

うねうねと。無脊椎動物の足らしきものがうねりながら伸びている。その動きは、オズワルドの水色の足によく似ているが、色は彼のものよりずっと暗い、夜の海の色をしていた。意のままに動かすことができたので、それが自分の足だとすぐに理解できた。 うねり...
妄想してみた

仔犬のワルツ

今年のゼロの誕生日は、去年の宣言通り、公会堂のホールで盛大に祝われることになった。 アンリが来る前から、夜会の警備はエースの隊が引き受けるのが習慣になっていたので、礼服を来てフロアに立つゼロを見るのは初めてだ。 だけどゼロは気負った様子もな...
妄想の函

内緒の殿下   〜魔界の太陽 編〜

魔界には太陽がない。「人間界の太陽が恋しいかい?」 あれは、初めて殿下と二人で迎えた朝。 彼が、ぽつりと尋ねた。「……少しだけ」 本当は、朝日の昇らない朝を迎えるたびに、太陽を恋しく思っていた。だけどそれを殿下に伝えるのはなんだか申し訳ない...