2冊目|失踪 (著:ドン・ウィンズロウ)


本日ご紹介するのは、こちら。

失踪 ドン・ウィンズロウ 中山 宥・訳  角川文庫

 主人公のフランク・デッカーは元海兵隊員で、現ネブラスカ州の刑事。彼の街で、5歳の少女ヘイリー・ハンセンが行方不明になります。手がかりが掴めないまま三週間が過ぎ、別の少女がまた行方不明に。二人目の少女の事件をきっかけにフランクは警察をやめ、独りでヘイリーの探索を続けます。彼女を探し求めた末、わずかな手がかりに導かれて、彼はやがてニューヨークへたどり着きます。

 ニューヨークでさらに厳しい現実を目の当たりにしながら、彼はヘイリーの探索を続けます。古風なマフィアのボスが出てきたり、謎の多い美人モデルと仲良くなったり……果たしてフランクはヘイリーを助け出せるのか?

 原書のタイトルは”Missing : New York”。読んでてニューヨーク怖い、アメリカ怖いってなりました。若い女の子がどのぐらいの頻度でいなくなっているのか、どんな目にあってるのか、容赦ない現実も書かれています。

 フランクがとにかく熱くて不器用でかっこいい。同僚の評価とか見ると、優秀な刑事だったのに、あっさりやめて、ヘイリーの母親との約束を守るために、ヘイリーを探し続けます。昔気質のマフィアのボスに気に入られちゃったりね。こういうところはウィンズロウっぽいなあと思いました。ちょっとソフトなんだよね。

 ヘイリーの独白が所々に挟まれていてさ。もう、祈るような気持ちでハラハラしながら読んだよ。

私の中でドン・ウィンズロウといえばニールのシリーズなんですが、これは翻訳が東江”決まり金玉”一紀さんじゃなかったんだよね。最初はあれ?って思ったけど、あのリズム感は健在。すぐに気にならなくなって引き込まれちゃった

同姓同名のポルノ作家がいるらしいから、原書を検索するときは気を付けてね!

それはまた不幸な偶然ですね

しかもポルノ作家の方が古参で多作っていうね。いっとき本国より日本やドイツで人気があったらしいのはそれが原因じゃないのか?

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