妄想の函

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紅茶派のあなた

 バルバトスに美味しい紅茶の淹れ方を習うために魔王城に通うようになってから、しばらく経つ。  この紅茶教室のきっかけは、殿下の一言だった。  殿下が人間界の話を聞きたがっているからと、ルシファーに連れられ魔王城を訪れた...
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内緒の殿下2

 殿下に助けてもらったお礼を届けるために、RADの執務室を訪ねた。  お礼に選んだのは、ルシファーに教わった、殿下が最近お気に入りだという紅茶。  最初は思い切って手作りのお菓子を、と考えていたんだけど。兄弟たちの「殿...
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内緒の殿下

 ——今日の会議には、MCも来るように。遅刻は厳禁だ。  朝食の時にルシファーにそう念を押されていたので、授業が終わってすぐに講義室を出て議場に向かった。  RADの作りはちょっとややこしくて、こっちに来たばかりの時は...
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ルシファーの受難

 MCの無自覚の恋心は、まるで植物の芳香のように彼女の全身から立ち上り、甘くルシファーを誘う。  彼を見上げる瞳に、彼を呼ぶ声に、蜜のようにひそむ恋。それはまるで遅延性の毒のように、甘やかにルシファーを侵し始めた。  ...
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ソロモンの災難

 油断した。  まさかあの短い詠唱が終わる前に殴られるとは思わなかったし、僕よりずっと小柄な、しかも人間の女の子のパンチで魔法陣の外までふっ飛ばされることは予測してなかった。  僕は数百年ぶりに情けなく、地面に尻をつけ...
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ルシファーの逡巡

 書店を出たルシファーは、足を止め、訝し気に眉を寄せた。 (一体、何事だ……?)  視界にいるあらゆる悪魔たちが、熱望するような目で同じ方向を見つめている。  下級悪魔たちは、だらしなく口を開け、だらだらとよだれ...
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