妄想の函 ルシファーの逡巡 書店を出たルシファーは、足を止め、訝し気に眉を寄せた。 (一体、何事だ……?) 視界にいるあらゆる悪魔たちが、熱望するような目で同じ方向を見つめている。 下級悪魔たちは、だらしなく口を開け、だらだらとよだれを垂らしていた。中には酔っ払い... 2021.05.05 妄想の函