ゼロ

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In his childhood

木枯らしが吹き荒ぶ寒い日。 ハールが青い閃光と共に執務室に現れたのは、午後の早い時間だった。 ゼロが事故で古い魔法薬を浴びてしまった。 その知らせを聞いたハールは、軍からの使いを魔法の塔に残したまま、単身魔法で瞬間移動してきたのだ。 突然現...
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Childhood’s end

ポットにお湯を注ぎ、紅茶が抽出されるのを待つ。手持ち無沙汰で窓の外をぼんやりと眺めていると、薄曇りの空から、ちらりちらりと白いものが舞い始めた。 どうりで朝から冷えるわけだ。 ハールは暖炉に薪を足した。 暖炉の前では、ここまで大はしゃぎで駆...
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仔犬のワルツ

今年のゼロの誕生日は、去年の宣言通り、公会堂のホールで盛大に祝われることになった。 アンリが来る前から、夜会の警備はエースの隊が引き受けるのが習慣になっていたので、礼服を来てフロアに立つゼロを見るのは初めてだ。 だけどゼロは気負った様子もな...
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春隣

クレイドルの長い長い冬も終わりに近づき、そこここに春の気配が香り始めていた。街を行き交う人々の表情も、心なしか明るい。 そんな中、ルカ、エドガー、ゼロの3人はセントラルのカフェで、困り顔を寄せ合っていた。「ごめん、やっぱり黒の兵舎でも無理だ...
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後日談  ランスロットくんとシリウスさん

「ありがとうな、助かった。ここは生徒の掃除区域に入ってないからな」「じゃあ、俺はこれで」 ゼロくんがシリウスさんに竹箒を渡した。 二人のすぐ横に、枯れ葉のこんもりした山ができている。 どうやら二人でこの辺りの掃除をしていたようだ。シリウスさ...
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ここはクレイドル学園

「先生、落としたよ」 振り返ると、よく見知った男子生徒が、一人。 彼が差し出しているこげ茶の革のパスケースは、私が免許証入れとして愛用しているものだ。さっきキーケースを取り出す時に、一緒に落としてしまったらしい。「やだ、本当!ありがとう、助...
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リコスの特別な日

リコスの大好きなご主人様、ゼロは、赤の軍の幹部なのでとても忙しい。昼間は書類仕事の時以外、ほとんど部屋にいない。 だからリコスの1日の主な仕事は留守番だ。 ご主人様を送り出した後は、帰ってくるのを楽しみに待つ。 昼にはアンリが様子を見にきて...
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今日は特別な日    特別な夜

ゼロ2020お誕生日当日SS  その5「ゼロはね、自分の誕生日が好きではないんです」 エドガーは、アンリにゼロの誕生日を教えてくれた時、小声でそう付け足した。  アンリにとって、今日はとても楽しい日だった。 ゼロの笑顔を、たくさん見ることが...
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今日は特別な日   ピクニック 3

ゼロBD2020 お誕生日当日SS  その4 待ちかねていたように、リコスがゼロの膝の上に飛び乗った。 ゼロは笑いながら、リコスを撫でてやった。「別にお前のことを忘れていたわけじゃない」絵:あおまる@aomal_z1010 様「シャインは耳...
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今日は特別な日   ピクニック 2

ゼロBD2020 お誕生日当日SS その3 ランスロットの発声で乾杯したあとは、順にプレゼントが贈られた。「俺たち黒の軍からは、まずはこれ」 ルカが平たい箱をそっと差し出した。「リクエストのあったピーチパイ。口に合うといいけど」「ピーチパイ...