ゼロ

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今日は特別な日      朝

ゼロBD2020 お誕生日当日SS  その1「お誕生日、おめでとう!」 ゼロは今日一番乗りのバースデープレゼントを、両手でしっかり受け止めた。絵:あおまる@aomal_1010z 様 ――役立たずの失敗作が! 聞き覚えのある声とともに、目を...
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赤のエースの好きなもの     ゼロのリクエスト

ゼロBD2020 カウントダウンSS    〜ゼロのお誕生日まで、あと2日〜 クレイドルはすっかり秋めいて、街路樹も色づき始めている。「……それでね、結局何を贈ればいいのかわからないままなの」 アンリはそこまで話すと、エドガーが淹れてくれた...
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赤のエースの好きなもの    エドガーの提案

ゼロBD2020 カウントダウン     〜ゼロのお誕生日まで、あと4日〜 ゼロの誕生日まで、後三週間ほど。 それなのに、アンリはプレゼントの良い案が浮かばず、途方にくれていた。 ゼロはアンリの家族で、友達で、恋人。誰よりも大切なひと。 ず...
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お人形さんごっこ   第二話

赤のエースで妄想してみた その11 お人形さんごっこ 第二話 黒の兵舎の執務室では、首脳陣、つまり数の大きい幹部たちが、国境警備に関する長い会議をやっと終えたところだった。 シリウスが紅茶を用意していると、執務室のドアの隙間から小さなロシア...
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お人形さんごっこ    第一話

赤のエースで妄想してみた その11 お人形さんごっこ  第一話 日毎に日差しが強くなり、夏の気配を感じ始める頃。 アンリは兵舎の倉庫で探し物をしていた。「確かこの箱じゃなかったかな……あ、あった!」 薬瓶の詰まった箱から、小さな犬の絵が描か...
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青空と    第二話

役立たずの失敗作。 ゼロがその言葉とともにあの場所を追われたのは、14の夏だった。 何も持たないまま、ただ外に放り出された。 呆然と見上げたのは、雲ひとつない青空だった。 初めてみる空は青く眩しく、どこまでも広く、途方もなく寂しかった。 ゼ...
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青空と  最終話

男はディーン・トゥイードル、寄宿学校の教師だと名乗った。 ディーンは自分はゼロを迎えに来たのであり、ゼロはこれから寄宿学校に編入しなければならない、と言った。 ゼロに選択権はなかった。 アンリが眠っている間に、この家を出ていくことになった。...
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青空と 第一話

初夏の眩しい日差しの中、セントラル地区のメインストリートの脇に大勢の人々が並んでいた。誰もが興奮した顔で、赤い旗と黒い旗を一本ずつ持っている。「来たぞ!」 誰かの声をきっかけに、わっと歓声が上がった。 まだ姿は見えないが、音楽が聞こえてくる...
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春待つ日々

春はもう近くまで来ているはずなのに、これっぽっちも気配は感じられないような、寒い日々が続いている。 リコスと暮らすようになってからそろそろ1ヶ月になる。ゼロはエドガーの勧めに従って、リコスを獣医に診てもらった。非常に健康であるというお墨付き...
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元気のもと

赤のエースで妄想してみた その8 元気のもと 緑が初夏の風に乗って薫る。 ゼロは木陰に体を投げ出すようにして横になった。 冷たい芝生が、心地いい。 赤の兵舎のキッチンから続くハーブ園の裏。ここには人は滅多にこない。 自分の隊の訓練を終え、次...